受験化学は試験時間との闘いです。
しかし、いきなり「化学重要問題集」のような有名な問題集に取り組んでも、いまいち効率の良い解き方が自分の中で固定されていないという方も多いのではないでしょうか。
入試本番の緊張した状態で効率的な解き方が明確に整理されていないと、頭がうまく働かずに解けなかったり時間がかかる方法を選択して突っ走ってしまったりという事態も考えられます。
そこで本記事では、化学の計算問題における効率的かつ再現性のある考え方を学べる参考書「原点からの化学 化学の計算」をご紹介します。
まじで神参考書
隠れた名店って感じやな
どんな参考書?
著者はかの有名な駿台の石川正明先生です。
現在東進の先生として有名な鎌田先生なども石川先生の教え子だそうです。
石川先生は毎年駿台で開講されている超人気講座「化学特講」という講座を担当されている先生であり、「原点からの化学 化学の計算」はこの講座の参考書版として知られています。
化学でメインとなる計算問題について、ほぼすべての範囲を整理して解き方を解説しています。
この本を始めて開いた方はその問題数の少なさに驚かれるでしょう。しかし、これについてこの本の序章で石川先生が以下のように述べています。
「エッ…こんな少ない問題数でいいの?」と感じる諸君もいるでしょう.私は戦後から今日まで、ほとんどの入試問題を集めて整理し、どんなことが問われてきたのか調べ上げてあります.本当にいいのです.ここで与えられた問題とその解説の内容をしっかり君たちのものにすれば、一見複雑で難解に見える問題も解くことができます.
原点からの化学 化学の計算
この圧倒的信頼感。
私も受験生のときに愛用していたのですが、この言葉に嘘はないと感じました。
問題文を読んでからどのように図をかいて情報を整理し、どのように式を立てていけばよいのか、一から丁寧に解説されていました。
自分の中で解法がまだ整理しきれていないという方は、ぜひこの本を一度読んで整理してから通常の問題集なり過去問に取り組まれることをおすすめします。
対象となる人・難易度について
対象となるのは、入試で化学を使う方全員です。
というのも、計算問題が出ない化学の入試問題を見たことがないからです。
計算問題を練習するなら、最初に解法を整理しておいた方が効率的に実力がつきます。
なお、世間では難易度が高いといわれていますが、実際の難易度としては中でしょうか。
むしろ、解説が丁寧でない問題集で演習をするよりもハードルが低いといえます。
取り組むタイミングとしては、学校の授業や初学者向けの参考書で基本を押さえた後、問題集に取り組む前に挟むのが良いと思います。
もちろん、一度問題集に取り組んだもののハッキリとした解法が定まっていないという方も戻ってきて取り組む価値が十分にあります。
いろいろな使い方
使い方については、ほんとに人それぞれだと思います。
・最初から順番に取り組む
・試験の範囲に合わせて解法を確認しておきたい分野から取り組む
・自分の興味がある分野をつまみ食い
など、自分に合った方法で取り組むとよいでしょう。
私は基本的には最初から順番に取り組んでいましたが、学校で模試が行われるときはその範囲だけ先に読んだりしていました!
やり方はこのように自由なのですが、最終的にはやはり全体を確認できるのが望ましいです。
というより、どこかの範囲の解説を読むと、内容が良すぎて、ほかの範囲も読んでみるのが楽しみになってきます。
また、例題に関しては問題がかなり厳選されているので、できるだけ完全にマスターしておきたいところです。
なにか解法の部分で新しい学びがあったらその部分と問題に印をつけておけておき、ほかの範囲もやった後にもう一度解きなおすとよいでしょう。
口コミ
良い口コミ
私もこれがこの参考書の真骨頂だと思います。
化学の計算問題は解き方がある程度パターン化されているので、多くの問題を解けばなんとなく解き方は分かってくるのですが、時間がかかる上にそれを一般化、言語化するのは至難の業です。
この参考書ではしっかりと解法が言語化され整理されているので、こちらを先にやって、後からこの本の内容を意識して問題集を解くというのが最も効率のよい方法だと思います。
やはり、セミナーや重要問題集といった問題集のみを使っていくと、解法の整理がうまくできるまでに時間がかかり、伸び悩むことがあるようです。
私自身も、セミナーと重要問題集に取り組んである程度問題が解けるようになったけれど、解法が整理されていないモヤモヤが残っていました。この状態だと、得点が停滞しがちです。
この参考書はこのような状況に陥っている方の打開策としてもってこいの一冊でしょう。
難易度についても口コミを発見しました。
私も難易度は巷で言われている程高くないと思います。例題と解説だけでなく、理論化学の基本事項に関しても説明されているので、あまり臆することなく手に取ってみてもよいのではないでしょうか。
悪い口コミ
中には、この参考書が難しいと感じる方もいるようです。
たしかに、基礎の基礎を学校の授業などを通して学んでからこの参考書に移ったほうが理解しやすいかもしれません。
私自身もこの本に触れたのは学校の授業を受けてセミナー化学で基本問題を解いた後でしたので、タイミングがたまたまよかった可能性があります。
いくら分かりやすいとはいえ、完全な初学者向けではないと思います。
まとめ
今回は私の大好きな参考書「原点からの化学 化学の計算」をご紹介させていただきました。
この参考書は内容が秀逸なのに、セミナーや重要問題集などの有名参考書と比べて知名度が低いこともあってか、使っている人をあまり見かけません。
しかし、最初から全部読まなくても、気になる部分や問題の解説部分だけ読むという使い方でもかなりの効果が実感できると思います。
通常は予備校の授業を取らないと得られないような情報が詰まっているため、ぜひ1度手に取ってみてください!
【2024年8月20日追記】
悲しいことに本記事で紹介した「原点からの化学 化学の計算」は新課程にともない現在絶番だそうで、Amazonと楽天における新品の出品が見当たりませんでしたので、中古品のリンクを貼らせていただいています。指導要領内の部分だけ使うという使い方でも効果があると思うので、ぜひ手に取ってご確認ください。
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