本記事では、当ブログのテーマである「東大理系のボーダー超えを量産する」を達成するための全体像について解説していきます。
全部読まなくてもいいので、自分が気になっている科目のところだけでも確認してみてください。
東大に行け!
東大のボーダーを確認してみよう
まずは目標である「東大のボーダー」を確認してみましょう。
東大の試験は以下のような配点で構成されています。
共通テスト | 数学 | 英語 | 理科 | 国語 | 計 |
110 | 120 | 120 | 120 | 80 | 550 |
そして、各科類の過去5年間の合格者最低点は以下のようになります。(折れ線グラフ付き,5年間の最高点にマーカー)
理科一類 | 理科二類 | 理科三類 | |
2020 | 320.7222 | 313.0222 | 385.6111 |
2021 | 333.2667 | 314.2333 | 375.7111 |
2022 | 303.2333 | 287.3778 | 347.5111 |
2023 | 314.9778 | 312.9778 | 357.6667 |
2024 | 326.2444 | 314.1444 | 380.4778 |
このように、ボーダーと言っても科類によって大きく離れていることが分かるでしょう。
理三>>>>理一>理二というイメージですが、ボーダー付近での戦いを考えるなら理科一類と理科二類の間の壁もかなり大きいです。
そこで、戦略の一つとして、特別なこだわりがない限り理科二類を受けることをおすすめします。
理科二類であれば、例えば、
共通テスト | 数学 | 英語 | 理科 | 国語 | 計 |
88 | 40 | 80 | 70 | 40 | 318 |
この程度取れれば、過去5年間のいつでも受かっていたことになります。
数学が40点でも、他の科目がそこそこできていれば東大に合格できるのです。
しかし、上の表・グラフを見てもらえれば分かるように、この点数では理科一類には届かないことがあります。
したがって、理科一類と理科二類の合格者最低点に挟まれて泣きたくなければ、おとなしく理科二類を受けておきましょう。
理科一類と理科二類を選ぶ際の基準については以下の記事を参考にどうぞ。
各科目の戦略
数学
たとえ英語ができても、数学があまりにひどいと厳しいです。
10点だと絶対に受からないでしょう。40点以上、できれば50点を取るための努力が必要です。
そのための勉強ルートとして、以下のようなルートが良いと思います。
まずは網羅系参考書の問題を解けるようにしましょう。数Aの図形や数Bの統計などは、共通テストで使わないならやらなくてよいと思います。私もその二つの単元は飛ばしました。
次に、数学が得意な方はそのままハイレベルな参考書に進むと思うのですが、数学が得意でない人はここで躓く可能性が高いです。
私も、網羅系参考書が終わった後「ハイレベル数学1A2Bの完全攻略」という駿台の参考書を2周ほどしたのですが、全く身につきませんでした。
解説に書いてあることは大方分かるが、いったいどうしたらその発想になるのかが分からないのです。
そのような方はどうするべきなのかというと、必ず、論理学の勉強を挟んでください。
論理学は、予備校などでは教えられているのですが、教科書はもとより、市販の参考書だとしっかり扱っているものが以下の2つぐらいしかありません。
しかし、網羅系参考書のレベルを超えてくると、論理学が全く分かっていない人は解くことができません。
もし解ける人がいるなら、その人は問題を解いていく中で論理学の発想を自然に身に着けているというだけなのです。
論理学を学ぶと、「いま求めなければならない条件とは何なのか」を式で簡潔に表し、それを正確に同値変形していくことができるようになります。
すると、今自分は何をしているのか、次になにをしなければならないのか、といったことが明確に分かるようになり、難問であっても一つずつ着実に解くことができるのです。
「いやいや、そんな甘い話ないでしょ」「難問が解けないのはただの解法暗記不足だろう」と思う方は、だまされたと思って当サイトの教材「数学の論理」を使ってみてください。
論理学の基本的なことをすべて詰め込んだ教材です。もちろん、お金はいただきません。
ぜひ、数学における論理の重要性に驚いてください。
英語
英語は実力がつくと得点が安定しやすいお得な科目です。したがって、英語ができるというだけで合格率が上がります。
特に数学が苦手な人は、何としても英語は70点、できれば80点を取れるように訓練していきましょう。
英語のおすすめ勉強ルートは以下のようになります。
英語を得意にするには、実直に単語文法和訳をやりこむことが最も効果的だと思います。
特に重要なのは、
・授業を用いて英文法をしっかり固める
・長文の参考書はやらなくてもよいが、英文解釈(和訳)は絶対飛ばさない
・早い段階で過去問を使う
・英作文特化型の参考書を一冊やる
でしょうか。
以下の記事では東大英語の対策についてもっと詳しく解説しているので参考にどうぞ。
化学
化学については、得点を30点以上で安定化できれば勝ちです。
そのための大まかなルートが以下のようになります。
よくネット上などで紹介されているルートとほぼ同じなのですが、ポイントは③の「解法の整理」です。
ここを飛ばしてセミナー化学が終わったらすぐ「化学重要問題集」や「化学の新演習」などをやる人が多いのですが、私からすると少し非効率です。
頭の回転に自信があって、溶液の希釈などの複雑な操作や単位の扱いなども自力で安定して行えるという人はもちろんそれで構いません。
しかし、あくまでも当ブログの趣旨は「東大ボーダー超えを量産する」ということなので、私と同じように、自分の脳にそこまで頼り切るのは心配だという人に向けて書いています。
そのような人は、絶対に化学の解法と単位の扱いを、基本問題が終わったタイミングで整理しておいた方が良いです。
この段階で、本来なら駿台の「化学特講1」という講義をおすすめしなければならないところでしたが、運がいいことに、この講義の参考書版である「原点からの化学 化学の計算」が出版されているのでそれをやりましょう。
全科目含めても、私が受験生時代に最も好きだった参考書なので、質は保証します。
大筋は上に上げたルートの通りなのですが、
・無機有機理論の順番はどうするの?
・有機化学と無機化学に特化したおすすめ参考書は?
・予備校に通うならどの講義がおすすめ?
といった細かい疑問については、以下の記事をご覧いただければすべて解決します。
生物
ここで、物理が来ることを期待していた皆さん、申し訳ありません。私は生物選択だったので、生物についてしか解説できません。
したがって、物理選択の方は他の方の情報を参考にしてください。
さて、生物はフローチャートを作るまでもないのですが、勉強ルートは以下のようになります。
私が生物の学習で使用していた市販の参考書は「田部の生物合格77講」「セミナー生物」「過去問」のみです。
というのも、生物で最も大切なことは教科書の暗記であるためです。
東大で問われる知識は教科書からしか出ないため、東大生物は教科書を完璧に暗記していれば30点は堅い試験です。
考察問題で実験結果や実験手順の流れなどをどのように図にまとめるかなども確かに重要ですが、そんなことは過去問や東大模試の問題などを解いているうちに慣れます。
大切なことなのでもう一度言うと、教科書内容を完璧に暗記してください。
ただ、教科書は複数出版されているのに加えて、どこが重要なのかが分かりにくかったり、図が少なかったりします。
そこで、「田部の生物合格77講」という参考書は、各出版社から出ている教科書の内容を、図などを追加しつつ分かりやすく一冊にまとめたものになっています。
実は、「東大は教科書からしか出ない」というのはこの参考書の著者である田部先生という先生の言葉の受け売りです。
私は東進ハイスクールで田部先生の授業を取っていたので、このことは耳にタコができるほど聞きました。
過去問10年分やりましたが、実際にそうだったと思います。
したがって、東大を受けるなら「田部の生物合格77講」を受験当日まで繰り返し読み返して知識を定着させることをおすすめします。
東大生物の具体的な対策法は以下の記事をご覧ください。
国語
国語は共通テスト対策が主になります。
共通テストが解ければ2次試験の問題もある程度は解けるし、理系ならそれで十分です。
古文の単語と文法、漢文の単語と句法をスタサプや参考書で勉強し、共通テストの過去問を解けばOKです。
2次試験の過去問は他の科目の息抜き程度にやるとよいでしょう。私も5年ほどしかやらなかったと思います。
国語の対策については以下の記事でより詳しく解説しています。
地理(共通テスト対策のみ)
社会は負担の少ない地理を選択する方が多いと思います。(申し訳ないのですが、他の社会科目の対策については詳しくありません。)
地理は共通テストでしか使わないので、秋ぐらいから対策しても間に合うと思います。
それまではあまり重視しなくてよい科目ですが、さすがにノータッチは損なので、70点ほどを目安に勉強していきましょう。
具体的な勉強法としては、「地理Bの点数が面白いほど取れる本(通称黄色本)」でインプットして、作者が同じ「瀬川聡の大学入学共通テスト地理B超重要問題の解き方(系統地理編/地誌編)」でアウトプットし、過去問を解けば終わりです。
詳しくは以下の記事で解説しています。
勉強を進める際の注意点
ここまで、各科目をどのように勉強するかについて解説してきました。
ここからは、実際に学習を進めていくにあたって注意すべき点についてお話しします。
全科目どんどん先取りをする
東大に限らず、大学受験ではどれだけ早く基礎を身に着けるかがとても重要です。
したがって、学校の進度にかかわらずどんどん先どりして勉強していきましょう。
全範囲を勉強すればそれだけ解ける問題の幅も広がります。
また、東大は基礎的な問題も多く出題されるので、過去問にも手を付けられるようになるでしょう。
もし少しでも東大を目指そうと考えていてまだ必要な科目の全範囲の導入が終わっていないという方は、とにかくなるべく早く終わらせるようにしてください。
特に、英語と数学に関しては優先して行うのがおすすめです。高2までに完了できるとベストです。
国語や理科社会に関しては、夏に東大模試があるので、遅くともそこまでには終わらせるようにしてください。
新単元の導入という勉強は、必ず入試までにやらなければならない勉強であり、唯一無駄になる可能性がゼロの勉強といってもよいでしょう。
もし仮に東大をあきらめることになったとしても必ず他の大学の入試にも役立つという保証付きですから、この記事を読むほどのやる気があるうちに始めてしまいましょう。
以下の記事でも紹介しているように、単元の導入には質的にも価格的にもスタディーサプリが最適です。
東大模試は受けよう
東大模試は東大入試における自分の実力を測るのに最適な模試です。
駿台や河合、東進などの各予備校が運営しており、問題形式や難易度はかなり本試験に寄せて作られています。
東大模試を受けることには、
①受験者全体の中での立ち位置を把握できる
②目標ができる
③試験会場の緊張感に慣れることができる
④復習までしっかりすれば、問題演習として超優秀
といったメリットがあります。
③や④はもちろんですが、①や②は唯一無二のメリットです。
緊張感のある試験会場で、ライバルと一緒に東大形式の問題を受け、点数を比べるという機会は東大模試を受けない限り得られないでしょう。
特に、駿台や河合の主催する東大模試は東大を受ける人ほぼ全員が受けるので、立ち位置、判定はかなり信憑性が高いと思います。
したがって、日々の勉強の目標として十分であるし、あまりにも順位が伸びないなら志望校を変えるという選択も一つです。
私は東大模試で高3の秋までにD判定以上を一回も取れなければ東大は諦めようと思っていました。
判定は目安であるとは言え、何回受けてもE判定なのであれば合格可能性は客観的にみてほぼなく、それならば他の国立を受けたいと思ったからです。
このように、受験におけるリスク管理という意味でも機能しますので、東大を受けようと思うなら東大模試は必ず受けておきましょう。
以下の記事では各予備校の東大模試それぞれについて特徴を解説しているので参考にどうぞ。
予備校の検討は早めに
試験範囲をすべて導入し終わっており、英語と数学の両方またはどちらかの力が伸びてくれば、東大模試の判定はEではなくなるはずです。
試験範囲を網羅し終わってE判定を脱することができないのであれば、英語と数学の学習に欠陥があるということでしょう。
それを何としても分析する必要があります。
英語なら、東大英語のほとんどを占めるのはリーディングであるため、
・単語力の不足
・文法知識の不足
・英文解釈(精読・和訳)の練習不足
といった原因がまず考えられ、最も可能性が高い部分について参考書を追加して学習するのが得策でしょう。
数学に関しては、まずは網羅系参考書に載っているような基本的な問題は解けているのかを振り返ってください。
このようにして原因分析からの対策を立てることができるなら、それが最も効率の良いE判定の抜け出し方に違いありません。
一方で、自分でも何が悪いのか分からないという状況であれば、早めに予備校を検討することを推奨します。
私自身、数学の網羅系参考書の問題は解けるのに応用問題に対してのアプローチができず、予備校の力を借りたところ、問題をより厳密に考えることができるようになり、解ける問題も増えました。
予備校を利用した結果、上でも重要性を述べた論理学の知識が足りていなかったことが分かったのです。
このように、自分にとっては独学では厳しい、と早めに判断することも、合否にかかわる重要な要素です。
やみくもに予備校に通えばよいというわけではありませんが、独学で手を尽くしても無理だという場合は予備校に投資すると光が見えてくる可能性があります。
実際、東大に合格する人のほとんどは最終的に予備校を利用して合格を勝ち取っているのも事実です。
私が利用していた東進についておすすめの講座を以下の記事で紹介しているので、自分の行き詰まっている科目の部分だけでも参考にしてください。
おわりに
東大理系は難しいですが、一つずつ確実にやることをやっていけばボーダーを超えることができます。
ぜひ、本記事を参考にして、正しい方向に努力を積み重ねていきましょう。
また、当ブログでは私が東大を受験する中で得た情報を惜しみなく扱っているので、行き詰まった際にはぜひ参考にしてくださると幸いです。
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