皆さんは東大の化学と聞いて、どのような特徴が思い浮かびますか?
パッと思い浮かぶのは以下のような特徴でしょうか。
・難問や奇問は少なく、基本的な問題も多く出題される
・時間制限が厳しい→ほとんどの受験生にとって全部の問題に手を付けるのは不可能
・60点中30~40点ぐらい取れればよい(ほかの科目との兼ね合いにもよるが)
このような特徴からみて東大化学の対策で最も必要なことは、「基本的な問題を素早く正確に解き切ること」であることは間違いありません。
そこで本記事ではこの目標を達成するための参考書ルートについて考えていきます。
自分の学習進度に合わせて必要だと思う部分からやってみてください。
化学は問題にパターンがあるから、得点がそこそこ安定しやすいよ。
計算地獄だから電卓使わずに計算練習もきちんとするんやで。
理論・有機の単元の導入
まずは理論化学、有機化学の順に単元の導入をしていきます。無機化学は暗記分野なので、正直あとで参考書を一冊やるだけでいいです。
ここで「参考書ルート」と言っておいていきなりですが、単元の導入はやはり授業がおすすめです。
参考書のみで新しい概念を理解するのはハードルが高いため、まずは講義をなんとなく聞いて大筋をつかむのが効率的かと思います。
私は理論化学を学校の授業で、有機化学をスタディーサプリで導入しました!
スタディーサプリの坂田薫先生の授業は分かりやすいので、導入用にとてもおすすめです。
スタディーサプリについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にどうぞ。
基本問題の定着
導入が終わったら、最も重要な基本問題の定着に入っていきます。
理論化学・有機化学・無機化学の順に解説していきます。
東大対策はここが勝負どころだよ!
理論化学
理論化学は、計算法命の分野です。
図を書いたりしながら情報を整理して適切な式を立てるところまでが勝負で、あとは計算するだけです。
そして、情報を整理する方法や計算式の立て方にはある程度パターンがあります。
これを詳しく解説している講義が、駿台の名物授業である「化学特講Ⅰ 計算問題」、その参考書版が「原点からの化学 化学の計算」です。
この参考書ははっきり言って神です。今回取り上げている参考書の中でも、これだけはぜひ一度手に取ってほしい!
私は、問題集に取り組む前にこのテキストの該当分野を読み、基本的な知識と解き方を整理していました。
また、模試の前にも苦手な分野に関してこの参考書を見返し、解き方を整理してから挑むようにしていました。
化学の出題パターンは限られているので、それだけでもほとんどの問題が解けます。
最初から問題演習だけをやるのではなく、問題を分類して解き方を整理しておくことで後々大きな差がでるので、苦手な分野だけでもいいのでぜひ一度確認しておくことをおすすめします。
ちなみに、この本を書かれている石川正明先生は東進の鎌田真彰先生やスタディサプリの坂田薫先生の師だそうです。私は東進で鎌田先生の授業を受けましたが、確かに計算の部分が似ているなと感じました。
それだけ受け継がれる良いメソッドだということですね。
この参考書に関してはおすすめすぎるので、以下の記事でもっと詳しく紹介しています。よろしければ参考にどうぞ。
無機化学
上に述べた通り無機化学は暗記メインの分野ですが、理論化学と強い結び付きがあります。
理論化学の問題に出てくる物質は、無機物質が圧倒的に多いからです。
実際に入試の問題を見てみると、大問としては理論化学の問題で、知識部分だけ無機化学で習うものが出ているなんてことが多々あります。
もちろん、無機化学の範囲がメインの問題もありますが、かなりパターンが決まっているのでご心配なく。
無機化学の知識を一通り頭に入れるなら、「照井式問題集 無機化学 知識の押さえ方」(Amazonのページに飛びます。)がとてもおすすめです。覚えるべき事項が綺麗にまとまっており、問題を解きながら整理して頭に入れることができます。
有機化学
有機化学は上の二つとは独立しており、東大では大問1が決まって丸ごと有機化学の問題です。
有機化学の学習は暗記がベースですが、無機化学とは違って問題演習も必要です。
というのも、有機化学の問題のほとんどは知識をそのまま問うのではなく、与えられた情報から有機化合物の構造を決定する問題だからです。
与えられた情報を構造の手がかりに変換する→それらを組み合わせて構造を決定する
という2ステップで問題を解いていきます。
事前知識が必要なパズルを解く感覚です。
このパズルゲームを楽しむための事前知識を得るためにおすすめな参考書が、「ここで差がつく 有機化合物の構造決定問題の要点・演習」(amazonのページに飛びます。)です。
この本の要点整理編では、問題文中でよく与えられる情報が左ページ、パズルを解くのに使える情報が右ページに書いてあり、左から右へ情報の変換の練習をすることができます。
また実践編では、要点整理編の知識をもとにしてどのようにパズルを解きほぐしていくのかについて実際の入試問題を用いて詳しく解説されています。
有機化学のエッセンスが詰まった優秀な参考書です。
問題演習
ここまでやれば、入試問題を解くための知識は身についているので、いよいよ問題演習に移っていきましょう。
現に、浪人生は理科の点数が高いですし、早くから理科の範囲学習終わらせる「鉄緑会」という予備校の生徒は理科が強いことで知られています。
数学や英語などよりも頑張りが点数に反映されやすい科目だと思いますので、問題演習をどんどん積んで化学を武器にしてしまいましょう。
化学重要問題集
化学全般の演習量確保に最適なのが、「化学重要問題集」です。
A問題とB問題に分かれており、B問題の方が少し難易度が高めに設定されています。
解説こそ不親切ですが、選問はとても良いため、先に挙げた参考書で基礎を固めた後に取り組むと最大の効果を発揮するでしょう。
過去問・模試の過去問
この問題集が終わったら、東大の過去問もゆっくり解けば解けるようになっていると思います。
そこで、時間を測って解く練習をしていきましょう。
先に述べたように、東大の問題は時間制限が厳しく、難しい問題や時間がかかりそうな問題はさっさと捨てて次に行かなければ間に合いません。
したがって、時間内に基本的な問題を選んで確実に正解を出すための練習が必要なのです。
また、過去問だけでは尽きてしまうと思うので、模試の過去問もおすすめです。
東大の傾向をもとにかなり練って作られているので、東大形式の演習材料としてとても役立ちます。
有名なものだと河合塾の東大オープンの過去問と駿台の東大実践の過去問が販売されています。
それぞれ「入試攻略問題集」「東京大学への理科」という名前で毎年販売されているので、できるだけ新しいものからチャレンジしてみてください。
模試の過去問を買うべき科目と買わなくてよい科目については以下の記事で解説しています。
参考書ルートではないが…
上に書いた参考書をこなせば、東大の問題とも十分に戦える力がつくはずですが、時間があればプラスアルファとして、東進の東大特進で鎌田先生の授業をとることをおすすめします。
東大特進の鎌田先生の講座は第一期から第六期まであるのですが、それぞれで別の分野を学習します。テキストにはそれぞれの分野の重要事項とともにその事項に関連する東大の過去問が載っています。
また、よく出る記述問題の解答例や暗記しておくと役立つことなどもまとめられており、東大対策に関して言えば、これ以上のテキストはないと思います。東大の過去問を研究し尽くして作られた洗練されたテキストです。
私は東大特進の鎌田先生の講座を全分野とってそこに載っている過去問を解けるまで繰り返し、さらに暗記事項も何度も見直して勉強していました!
東大特進では模試の東大の判定が一定以上であればとんでもない安さで授業を受けることができるので、ぜひとも検討してみてください。
東進のおすすめ講座は全部以下の記事で紹介しているので、参考にどうぞ。
まとめ
以上みてきたように、化学の学習における基本的な流れは
・理論化学と有機化学の導入
・各分野の基礎を固める参考書に取り組む
・問題演習を積む
のようになります。
この流れに沿って学習を進めれば東大入試で目標となる30~40点ほどは取れるようになると思いますので、ぜひ参考にして下さると幸いです。
また、東大入試では理科よりも数学と英語の出来が合否を分けることになります。もし東大数学で躓いている方がいれば、以下の記事で紹介している講座はとてもおすすめなのでぜひ参考にどうぞ。
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